勇気と想像力、そして少々のお金

きれいごとを言わない、をモットーにしてますが、時折言ってます。

吉本隆明

吉本隆明「フランシス子へ」

時折、無性に活字をむさぼりたくなるのは、たぶん。自分でも気付かずに、落としどころのない気持ちの澱みを活字で補おうとしているから、なのか。 こういった思いや行為の意味付けを自分でしてしまうこと、それをまるで見透かしたように、吉本隆明は、さらり…

「ひとり」(吉本隆明)

15歳の子供達の質問に「さあ、どうぞ。もっとお楽に。お行儀悪くなさってください」という言葉で開講された吉本隆明の小さな寺子屋、というテイで作られた小さな小さな本です。90ページもない。 15歳の寺子屋 ひとり作者: 吉本隆明出版社/メーカー: 講談社発…

吉本さん

3月16日に吉本隆明が亡くなった。最近、福岡出張に行く度に誰かがなくなってて妙なもんだと思いながらいつもと変わらない一日を過ごした。 吉本さんはリアルタイムで追うことなんて到底叶わなかった人でもあり(そりゃそうだ)、代表作の「共同幻想論」や初…

有事における雑感

平時では気にもしなかった物事や、どうでもいいと聞き逃していた言葉が、有事になって強烈に響いてきて、生活の優先順位や意識がガラッと変わってくる。自分の価値観がちょっと変われば、僕が見ている小さな世界は簡単に一転する。それが、自分だけでなく、…

人間らしさはなにで決まるか (吉本隆明)

これは、何度か同じ本を手にするなかで、ある日すとんと自分勝手に腑に落ちた道理であって、何も人生を救ってくれることなんてあるわけじゃないんだけれど、ずずずと縮こまった心が広がる気もするし、書かれていない部分までをも好意的に誤読して、「よしや…

お墓への意思

吉本さんは「墓は小さいほうがいい」と語りながら、この章が最終的に「遺書」になっていることに驚きながら、どこか寂しく読みました。 糸井さんは吉本さんの遺書を公開した、つまり吉本さんの「意思」を受ける覚悟をしたわけなんですよね。きっと。で、それ…

講演の無料ダウンロード

1977年、吉本隆明(50代ですね)の約2時間にわたる講演、無料ダウンロードです。いやぁ、無料とは実にありがたい。これ、聞きたかったんです。聖書を思想書として読む、とは。どういうことだろう。とにかくiTunes→iPhoneに落としました。 糸井さん、ありがと…

吉本隆明の宮沢賢治評

宮沢賢治賞を受賞した時の講演内容を「ほぼ日」でまとめてくれていました。読み応えバツグンでした。感謝。そして‘ほぼ’抜粋、ということで。 http://www.1101.com/news/2009-10-05.html 「みなさんもご存知のように、我々は日常、人間と人間との関係あるい…

生きるというベクトル

吉本隆明の本を2・3冊平行読書していて、よく同じようなフレーズが出てくることがある。それはきっと、本人が何遍も繰り返して伝えたいことなんだろうなぁと解釈している。巡り巡ってもそこに行き着くという言葉があるんだろう、きっと。だから余計に気になる…