はたらきたい。を読んでの雑感
読み終えて、おととい、嫁さんに「読んだらいいよ、おもしろいから」と言って渡しました。
- 作者: ほぼ日刊イトイ新聞,糸井重里
- 出版社/メーカー: 東京糸井重里事務所
- 発売日: 2008/03/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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どこかの箇所を引用してしまうとそこに引っ張られそうなので、一切引用しないで、本も手元に置かずに、そのモヤモヤだけで読後感を書いてみようと思います。本とは関係の無い話になりそうですが。
村上春樹がライナーノーツを書いているいくつかのCDの中で、「ポートレイト・イン・ジャズ」があります。
- アーティスト: オムニバス,チャーリー・パーカー,ハーブ・ゲラー,アート・ブレイキー,スタン・ゲッツ,ビル・エバンス,デューク・エリントン,村上春樹,和田誠
- 出版社/メーカー: ポリドール
- 発売日: 1998/05/13
- メディア: CD
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まぁ、このCD自体が、和田誠と村上春樹が選曲して1枚に収めたシリーズものなのですが、このライナーノーツで村上春樹は、ひたすらレコード(LP)の素晴らしさを書いているわけです。そのジャズLP達との出会いと、現在においてのその関係の素晴らしさについて、延々と。音だってCDとLPじゃ「色んな意味での重さが違うんだっ」て感じで。おお、これをCDのライナーノーツに書くか、と笑えるくらいの内容なんですが。
でも、自分が強く大事にしているモノの尺度がはっきりしていればいるほど、その他のモノを語るときに説得力を持つんだと思います。
この本には、当たり前の、けれども日常でスルーしてきた言葉たちがたくさん詰まっています。きっと、読むタイミングが合わないと(これはどんな本も同じですね)、きっと適度に笑って読み終えてしまう類の本なのかもしれません。いや、この本があまりにも素晴らしすぎる!ということでは全然無いんです。(そこまでたいした本では無いでしょう)
でも、ここまでこの本について書くのは、きっと、この本が僕の中での‘灯台’のような役割を担っているからなんだと思っています。
遠くを見渡せるようにぐるぐる回る、ただの‘ひかり’です。
ただ、僕にとっては、この本と、なかなかの出会いが出来た気がします。もちろん片思いでしょうが。・・・本と両想いになれるものでしょうか?うーむ。
僕のたかだか数十年の人生の中で、形あるもの、形ないもの、すべてが思うようにいかない中で、逃げることは無く、僕個人の体に溶け込ませることの出来るモノや言葉との出会いは、本当にありがたいと思う。
そんな風な出会いを重ねていけたら素敵だろうな、とも思う。
この本の中からこぼれているいくつかの言葉は、逃げずにずっとそこに潜んでいるんで、いつでも確信犯的に会いにいける。
村上春樹が自分のLPにストーリーを描くように、僕自身も何かのモノや言葉に具体的なストーリーを持ち得たいなぁ、と、あのライナーノーツを読むたびに思います。
あれ、ライナーノーツの話になってる・・・。