405日のいのち、きらめく
書こうか書くまいか、迷ったのですが書きます。
405日のいのち、きらめく―アメリカの病院で心臓病・肝臓病と闘った娘、江実
- 作者: 瀬川秀樹
- 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
- 発売日: 2002/07
- メディア: 単行本
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もともとは、勢川さん(id:segawabiki)のプロフィールで紹介されている上記のホームページを少しずつ読み(少しずつしか読めません)、重い腰を挙げ、やっと買って手元に置いておこうと決心し、それだけの想いで買いました。
この本が、ぐっと心に迫るのは、父親である著者が、父である前に‘人’として、その強い「人生観」を貫いて書かれているからだと思います。少なくとも、僕はそう思いました。
私と妻は「産む」ことを決めてからは、カラッととても明るい状態です。最大限の努力をしてこのベイビーに生きるチャンスを与えてやるけれど、ダメだったらそれはそれで仕方ない。誰も永遠に生きることは出来ないのだから。
だから、ベイビーの話をして「可哀想」と同情されるのはちょっと困ってしまいます。ベイビーにとってはそれが人生であって、可哀想なことではないのですから。
この言葉を紡ぎだした人としての強さを思うと、親として言葉になりません。
そして、瀬川さんのこの言葉が、僕の中でまだ消化出来ずに留まっています。
同時代に生きている人々と相互にいかに大きな影響を与えたり与えられたりすることができるか。それが一番大事なこと。
この人生観の凄さが、この本を最後まで突き動かしています。
想像に難くない、その涙と嗚咽を繰り返しながら。
間違いなく、江実ちゃんは、僕と、そして今この本を少しずつ読んでいる妻に、影響を与えてくれました。
ありがとう。