勇気と想像力、そして少々のお金

きれいごとを言わない、をモットーにしてますが、時折言ってます。

語りは騙り

ちょっと雑文を。


語りとは「騙り」であり、つまり、意図的に持っていこうとするものでもある、と折口信夫が言ってたらしい。というのを今日の産経新聞の中の人が書いていて、うんうんなるほどと頷いた。書くこと、語ること、言葉を操つることはイコール伝えることなので、その自己の騙りを磨くというか、言葉にする前の自分の問題であって、吉本隆明がよく言う「言葉は木でいうところの枝葉みたいなもので、幹は沈黙なんだ」ということもそういうことなんだろうと腑に落ちた。
それはつまり裏返して言えば、語ることや字を綴ることでしかその人の「騙り」や「幹」が垣間見れないことでもあり、生きることの存在意義というかその実感は、騙り伝えることを通して計っているんだろうな、と自分の過去を振り返ってみてそう思う。小さな頃は身近な親や家族に、大人になっては大人同士色んな付き合いを通して、騙り、騙られ。恋愛なんてまさにそうだ。
そうやって僕なんかは関係性を横へ横へと繋げたがるけど、宮沢賢治はそれをせずに縦へ縦へと。つまり空や土や宇宙といった自然を相手に自分との関係性を突き詰めようとした人らしい(吉本隆明談)から、やっぱり凄いよなと思う。いつか、それが腑に落ちる日が来るのだろうか。うむむ。


空がどんよりしてて、来週から九州にも寒波がやってくるそうです。風邪も流行ってますから皆さんお体に気をつけて。