勇気と想像力、そして少々のお金

きれいごとを言わない、をモットーにしてますが、時折言ってます。

春へ

ひと息。
春に向けて、いわゆる「別れ」という物悲しい門出が誰かには訪れ、温かい風が吹く頃には、そんなことも忘れ、必死に生きているんだろう。
そんな学校や大きな組織からは遠ざかった今も、はたでその雰囲気を感じるだけで、視覚の奥から瞬時に浮かんでは、パッと消える、そんな景色がある。
大切な人に出会えたその喜びは、そのときの歓喜は実は刹那的で、別れの瞬間に初めて事の重大さに気づかされることもある。別れという経験が、出会った歓喜の整理のつかない想いを含んだ一つの記憶となっていくのだとすれば。
そんなひとつの、またいくつかの記憶が‘ある’という事実が、心の琴線となる。いつかまた、誰かがそれに触れ、震えるような出会いが訪れてくるとしたら、そう思えるとしたら、人生は捨てたもんじゃないのかもしれない。
だから、誰だって、ひとりだったら、そんな記憶すらつくれない。
よき出会いを。