勇気と想像力、そして少々のお金

きれいごとを言わない、をモットーにしてますが、時折言ってます。

運動会顛末

深夜から降り出した雨に延期だろうと朝5時に連絡を待つもそれはなく、決行されました。幼稚園年少として息子本人も親も初めての運動会。早朝の場所取りやら親の役割分担やら諸々を考えると当日までは本当に乗り気ではなかった私です。ここだけの話、心底めんどくさいなと思ってました。親のための運動会かよ、と。で、その運動会というお祭りが終わり、いろいろありましたので備忘録です。
早朝の場所取りを終え(みんなテント持参で早朝よりペグを打ち込んでます、びっくり)、私もそれに習い一人テントを張り、やれやれと帰ってご飯を食べて、よーし行こうと家族全員で運動場へ。着く直前、強風によりテントが空から飛んできて、嫁さんの「キャー」という声とともに激突。テントは風に踊るように走行中の車にガリガリと。
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色々あります、人生なんて。持ち主の方と話をし、うちの車両保険で賄うのでいいと言ったのですが夕方連絡があり、心遣いを頂きました。「ねぇ、もしうちが反対の立場だったらどうしただろうね」と嫁さんと話したものです。相手のTさん夫婦は、とても誠実でした。しかし私はここ数年、どうにも車についてません。
さて、主役の息子はどうだったかといえば、リハーサルのダメダメぶりで期待値が底値だったせいもあり、本人はがんばって踊って走って叫んでました。「あれ、思ってた以上によくやってるね」と、同じく期待値の低かった祖父母にも言われ、遠くから来てくれたのでよかったです、はい。
一つ、この運動会の演目で文句なく素晴らしかったこと。年長さんによる鼓笛隊です(聞くとこの幼稚園のちょっとした名物のようでした)。私は初めてリハーサルで見て「なんでこんな小さな子たちが始まりの笛や音や旗や動きを、大人に何も関与されずにここまでのことを出来るのか」と感涙しました。それまではギャーギャー言ってる子ども達が、着替えを終え、先生の元に集まったその姿は凛々しく、声を上げ、音楽とともに入場していくその顔つきは精悍で、気持ちを逸らさず、それぞれが役割を全うしているその姿がどう見ても幼稚園児には見えなくて、目を離すことが出来ませんでした。当日も、やはりその出来は素晴らしくて、よその子であろうがなかろうが見に来ている親や祖父母が涙しているその景色が全てを物語っていました。そんな純心な子ども達を見て、潜在的に持っているやるべき時に出す力に圧倒されました。鼓笛隊がおわり、演じ終わった子ども達を見てみると、また、いつものうるさい幼稚園児に戻っていました。集団行動や強制的にやらされる何かを嫌う私でも、そこに否定しがたくある何かを深く感じざるをえませんでした。なんだか子どもには教えられてばかりです。
そして、自分への情けなさも。クラス対抗親子リレーに出ることになっていた私は、俄然やる気マンマンで、はじまる前の入場門ではバトンをどうやって渡すかとか入念にリハーサルし、昨年リレーで出ていてこけたというお父さんをケラケラ笑い、ではコーナーでは気をつけようなどと言っていたのに、いざ始まり、アンカーの一人手前で一位でバトンをもらったプレッシャーか、筋力の衰えか、たぶんその両方で、もらった瞬間加速するつもりがガクッと膝と手をつき地面でドタバタ。本部席からも「あらあらあら〜」という声が鮮明に聞こえてくる訳です。自分でもこれは何事かと思ったんですが、すぐに気を取り直して完走。何とか一位でバトンは渡し、みごと我が「うさぎ組」は優勝しました。私、がっくりです。おっさん以下です。夜、もっとちゃんと走ろうと覚悟しました。あのガクッ、ドタバタの瞬間を思い出すたびに、相当凹んでいます。
と、いろいろあった運動会でしたが、なんだかんだ言ってもやはり運動会を楽しませてくれた息子に、嫁さんと心底感謝しました。感謝です。何事も、始まるまではめんどくさいんです。何事も。


最後に、運動場で動き回る子どもとそれを取り囲む大人たちを見ながら、痛切に感じたのは「ここにいる子ども達って相当に恵まれているんだよな」という紛れもない事実でした。なんだか絵に描いたような嘘みたいなシーンなんですよね。でもそこに、私も家族もいるわけです。