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勇気と想像力、そして少々のお金

きれいごとを言わない、をモットーにしてますが、時折言ってます。

ひろゆきのインタビューに学ぶ

ひろゆきのこのインタビューは最近読んだ記事の中では群を抜いて面白い。
2ちゃんねる、ニコ動*両方個人的にはほとんど使わないがの在りよう、そしてニワンゴ取締役としての考え方、ひろゆきの一貫した思考に唸ってしまった。
その中でも、モノを作り世に問う姿勢と、ひろゆき流経営哲学?はなんとも圧巻。なんとかまとめて自分の頭の中を整理したい。

2ちゃんねるについて

僕は赤の他人とチャットしても,面白いとは思わないですからね。

つまり、「今日なに食べた」とか人と言い合ったりすりことに興味が無いのだ。
興味は、人の持つ‘情報’なのだ。

人間に興味があるんじゃなくて,どちらかというと知識に興味があるんですよね。「この話をしたい」とか「こういう情報を知りたい」とか,目的は人間じゃなくてあくまで情報なんです。
情報のやりとりをする場として「2ちゃんねる」を作っているので。「いま発言しているこの人が,本業としては何をしているか」なんていう,「この人に関する情報」には興味がない。だから,それを削ぎ落とした形になってるんですよ。

で、情報の信頼性については、

その場合,肩書きは邪魔になります。
(中略)
「私は大学教授です」って書いちゃえば,「大学教授が書いているんだから正しいだろ」って信じてしまう人がいるけれども,それと情報の信頼性は本来違うはずです。
(中略)
例えばバイクをすごくいっぱい乗っている人が「このタイヤいいよ」っていうと,本当は何がいいんだか分からないけど,いいっていうことが確定しちゃうじゃないですか。
でも匿名の場合って,何がいいのか,こっちのタイヤとこっちのタイヤを比較して,スリップが少ないとか,これならタイヤの溝が少ないとか,いろんな情報を出して,見ている人がそれに納得するという形になるんで。
(中略)
残った情報として価値が高いのはどっちかっていうと,たぶん属人情報が少ないほうじゃないかと,僕は思うんですけど。

そして、2チャンネルのサイト運営者としてのスタンス、

僕の場合,場があること自体が目的なので。
オンラインゲームとかだと,場を用意して収益化するのが目的なんでしょうけど,僕の場合は場が存続すること自体が目的だったりするんで。
(中略)
作っている僕の目的がお金を取ることなら,コントロールする必要があるんですけど,中の人が満足しているなら別にかまわないというポジションを取っている

この部分は、結果として2ちゃんねるでしっかり広告収入が確立できた現状の強みだろう。

で、2ちゃんねるを管理人としてコントロールすることの不要性として、

社員とかだったら命令すれば聞くと思うんですけど,サービスの利用者にはなんの制約もないし,強制力も働かないので,「こうしてください」と言っても限界があるわけです。
だとすると,彼らにやりたいと思わせるか,彼らがやりたいことをやるようにするかの二つだけが選択肢です。
(中略)

ほかのコミュニティサイトは匿名性を排除して,ある程度制御できる,コントロールできる形で安定を求めるんですけど,「2ちゃんねる」の場合,コントロールしないことで安定してるんですよね。

このサイト運営者側がコミュニティに対してどうやって手を入れていくのがは本当に難しい。しかも2ちゃんねるは、既に社会が許してくれるほどの規模ではなくなっているのだから。
このひろゆきのスタンスが、(良くも悪くも)様々な問題の源でもあるのだろう。
ただ、2ちゃんねる管理人としての見方はすばらしい。

こういうコミュニティって,だいたい2,3年でつぶれるんですよね。つぶれる理由ってやっぱり,常連が幅を利かせるからで。そうすると新しいところに行くっていうのが,いままでの解決策だったんですけど,そこをなんかシステム的にいじって解決できる方法があるかな,というのを,いろいろと試しているんですけど。

現状に満足はしていないのだ。流行り廃りの早いネット世界で、これほどの磐石な位置を確保できているのは、なにげにこういったひろゆきの一貫した姿勢の表れなのかもしれない。
で、その次の一手がニコニコ動画に繋がる。


ニワンゴニコニコ動画

携帯向けサービスとして出発したニワンゴ(*約3年前にドワンゴ未来検索ブラジルで作っている)で、携帯サービスに面白みを感じられなかったという。

掲示板やっているのもそうですけど,僕は観察するのが好きなんですよ。
ところが携帯電話って,サービスを提供します,サービスを使う人ですっていうのが,完全に分かれていて,使う人が面白いものを創る文化っていうのが,そんなにないんですよね。

そんな中でドワンゴが「動画みたいのをやる・・・」という話があがり、面白いんじゃないかと・・・、でスタートしたニコニコ動画

ケータイ小説とかだと一人で作れたし,YouTubeもだいたい一人で作品を作ってる。それに対してニコニコ動画の場合,人が作ったものを勝手に変えるのもアリだよね,という文化圏なんですよ。

文化圏を作る!!!

例えば他人が作った動画で勝手に悪ノリしてみましたとか,絵を付けてみましたとか,音声つけてみましたとか。著作権法上あり得ないことなんですけど,ニコニコ動画内に,当然のことだよね,文句言うのがおかしいよね,という文化圏を作ってしまうと,割と予想外のものがどんどん出来上がるっていうのが,見ていて面白いです。
(中略)
作っているものを見てください,で,そのリアクションはいっさい必要ないです,って芸術家もいると思うんですけど,そうじゃない人のほうがたぶん多いと思います。
自分が作ったものに対して感想がほしいとか,どういう風に思ったか聞きたいとか,それくらいは本とかでもできるんですけど,自分の作ったものを勝手に変えてくる人っていうのが,存在する文化ってまだなかったと思うんですよ。

で、ルールについては、

結局,ルールが守られるためには,全員にそのルールを教育しなきゃいけないんですけど,ユーザー同士が作ったルールであれば,ユーザー同士の中で勝手に「しつけ」を始めてしまうので,僕らが何もしなくて済むという。

さらに、アルカイダを例にしながら?ニコ動ユーザーの最終目標を示す。

たぶんアルカイダもそうだと思ってるんですけど,最終的な目的だけ共有してて,実際に個々がどう動くべきかなんて,勝手に判断しているじゃないですかね。
ニコ動とかも,結局面白いものを作るためにみんな集まっているんだよね,っていうところの価値観だけは共有できてるけど,その方向性,何が面白いかっていうのはそもそも人によって違うから,コントロールしようがない。だけど,面白さを目指している限りはそれでいいよねっていう,最低限の認識だけはカッチリしているっていう。

うーん。例えはどうあれ、言ってる事の理念は、ユーザー心理を思いっきり突いている。



法(著作権)と文化と経済システム

著作権法に対して納得いかない思いを大いに抱きながらも、現在の流れをこう見る

まあ,成熟しちゃうと法律国家になって,法のための法になって,その法のための法に納得できない人が割と増えてきているというのが,いまの結果だと思うんですけど。

著作者と、それを広告する側と、ましてや利用する側と、そしてビジネスとして展開する側と、ただで見る(フリーライダー)側と、実に多くの立場が存在し、しかも場合によっては重複する。
それがネットの良い所でもあり、複雑な問題をはらむ要因なのだろうが、ニコ動画が直面している最大の問題はここだろう。
原因は、今の(文化)システムに法が追いついてないだけなのだろうが、もっとも経済活動が盛んな分野であり、既得権益の発生する場所なので、切り崩しは容易ではない。
で、今は結局、

そうすると,古い,経済が付いているところが勝っちゃうんですよね。既得権利であったり,経済システムが出来ているところが強いという。

そんな中で、僕が凄いと思ったのはここからの語り。文化を創り、それを経済活動に乗せれば、世に問える、という一連の考え方について。

社会システムって必ず経済とリンクしているのに対して,いまの僕らが面白いと思っている文化って,経済とまだそんなにリンクしていないんですよね。
文化って,最初は面白いで始まって,それがいつの間にかビッグビジネスになっちゃったりするわけじゃないですか。だからたぶん経済はあとからついてくる。
いまは文化を創る時期で,そのうち経済が回ってくれば,システム側の人も「回ってるんだからしょうがないよね」と,追従せざるを得ない状況になると思うんですけど。

まさに、いずれ黒字化したニコ動を指し示すかのような言葉だ。

ニコ動みたいなもので,ある程度経済が回るようになったところで,こっち側の言い分も完全に無視することはできない,となるんですね。ある程度のところで均衡させたり,別のシステム作っちゃえばいいんじゃね? となったり。そういう変化が訪れると思うんですけど。

うーん、完全に世を動かす側の発言。すごい。

ニワンゴの経営(取締役として)

ひろゆき個人は来年から黒字予定と言い、会社としては今年での黒字化を目指すという。赤字のままで続けてることができたのは、当然、世間に評価され、支持され、多くのユーザーを巻き込んだから。
現在、会員は500万人を突破し、中でも有料会員は17万人(月々525円)。ここが20万人になれば毎月1億円の収入となる。
会員が増えることでの、サーバーとかの設備投資が問題視される中での冷静な分析として、

たぶん2000万人になることはないと思っているんですよね,僕は。
2ちゃんねる」のユーザー,月に使う人がだいたい1000万人くらいで,ミクシィがいま800万人とかそれくらいかな? で,インターネット上で何か時間をつぶそうと思ってつないでいる人が4000万人くらいで,その20%くらいが限界だと思うんですよね。
会社で使っていますとか,ネットは単なるツールでテレビが好きとか,人をナンパしているほうが好きとかって人は,いっぱいいるので。そこらへんで,たぶん2000万人くらいがMAXなんじゃないかって思うんですよね。
(中略)
支出が安定すれば,どこを切らなければいけないかとか,ある程度見えるんですけど,今は拡大期なので,ある程度余裕を持って設備投資をしなきゃいけないし,スタッフも増やさなきゃいけない。
もうこれ以上増えません! ってなったら,サポートスタッフもこの人数でやる,問い合わせの傾向が把握できれば,このへんを合理化してシステムにしちゃえば人件費減らせるよねとか,いろいろできると思うので。
割といま,ジャブジャブ使っている時期ではありますね。どっち側にどういう風にコストが必要か分からないので。

そんな状況下の中、ニコ動が続けられるのは、

支えきれる余裕があるというだけだと思うんですけどね。大量のお金が必要で,おまけに当たるかどうか分からない。じゃあ出資を募ろうってことで,割とオンラインゲーム会社が上場したじゃないですか。実際それでうまくいっている。
それでも,ユーザーが楽しんでお金を払いたいと思う時期って,たぶん読めないんですよ。どんな優秀な人でも。読めないっていうのと,お金を出した人に収益を返さなきゃいけないっていうジレンマの解決は,やっぱり無理なんですよね。早く回収したいというのと,ここはゆっくり育てなきゃいけません,
で,どっちが正しいかというと,株主が正しいのが株式会社のシステムなので,普通はうまく回らないと思うんですよ。
ドワンゴに関して言うと,株主(*avexと役員で50%以上を持つ)が割と長期的に「別にいいんじゃね」って思っていることがあって,投資をしてても,すぐに利潤をとか言ってこない。余裕があるので,コミュニティを育てられるってことだと思うんですけど。

うーん、なるほど。会社経営と株主、そして目指すサービスが一致した結果の形なんですね。(なにより、ドワンゴも経営陣もひろゆきもお金にキツキツじゃないことも理由のひとつらしい)
だから遠くを見ていられるんだろう。


違法コンテンツはいらない

今は違法コンテンツを本気でなくしたいらしい。それさえなければ課金システムもすぐに導入できたとのこと。
でもそれは人気の出た今だから言えることなのだろう。違法コンテンツがあったからこその現状は、やっぱり否定できないと思うから。
最後に、ニコ動のやろうとしていることは、

テレビコンテンツを見たいのであればテレビを見ればいいし,Gyaoを見ればいいと思うんですよ。それなら別に僕らがやる必要はないわけで。
僕らがやろうとしてるのは,ユーザーが作ったものをいじくって,ユーザーが楽しいと思える世界です。テレビってたぶん,出したら100万人が面白いと思えるものを作る場所ですけど,ニコ動って1万人にとって面白いものを100個作れば100万人じゃないか,っていう感覚なんですよ。


本当に、これから(ニコ動)文化を創り、経済活動を盛んにし、世にその文化の存在を問うことができるのか。大いに期待したい。