ブログの「浸透と拡散」
ブログ限界論?
「ブログ限界論」が気になって、ネット上で情報収集してみたが、どうも要領を得ない。
どうやら、テーマ(「ブログ限界論」)に議論が追いつかず一人歩きをしているみたいだ。ブログというまだ未知数のものに対して、位置付けや結論付けはまだまだ出来ないようだ。
そんな中で、佐々木俊尚さんの、ブログの「浸透と拡散」は非常に分かりやすかった。
変化前の世界で、独り占め的な感覚で楽しんでいた人達にとっては、コミュニティの大衆化はなんとも寂しいし面白くないのは当たり前で、気持ちはよくわかる。この感覚は、みんな少なからず味わったことのある感覚だと思う。好きなアーティストを「売れる前から応援していたんだから」!という新参者に対するやるせない言葉に似ている。
衆愚化?
佐々木さんの著書「次世代ウェブ」でも触れている通り、‘はてなブックマークの衆愚化’はまさにその現象だし、大衆に浸透・拡散し、利用されていくツールは、専門分野の人から見れば内容のレベルの低下は明らかだ。「おもしろく無くなったなぁ」という素直な感想があちこちで見えるのはそのせいだろう。
ただ、今の若い携帯世代がネットにそこまで依存しないのは、むしろその敷居レベルの低さが心地良く、大衆化された世界を歓迎しているからで、排他的な匂いがしないからではないのだろうか。
その土壌が無ければ、携帯小説なんてありえないのだから。
ネット上でのコミュニティを掲げる企業が、こぞって携帯電話へ参入しているのも、その匂いを敏感に感じているからだろう。ただ、コミュニティの内容を良質に掘り下げつつ、規模を広げる、という両輪のバランスが、まだ自浄作用が自然と働かない世界では難しいし(そんな世界は無いか?)、どこまで企業が手を入れる?という課題は尽きないのだろうなぁ。
ときめきを感じ続ける
佐々木俊尚さんのジャーナリストとしてのスタンスなのだろうが、
ブログは普及し、浸透し、拡散しつつある。
いまやかつてのあたたかいブログ共同体は、現在のブログ圏域とイコールではなくなっている。失われた共同体を懐かしんでもしかたないし、日々面白いブログは日本のあちこちで生まれてきているし、それを一生懸命発掘して必死で読まなければならない。
という、ネットに向かう一個人としての考え方はさすがだ。そうありたい。
- 作者: 佐々木俊尚
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(追記)
海部美知さんの‘「ブログ限界論」とマイクロメディア’に納得。まさに個人がブログに向き合う姿勢を言い得ている。