21世紀の国富論/原 丈人
- 作者: 原丈人
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2007/06/21
- メディア: 単行本
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この著者のプロフィールもさることながら、これからの日本の進むべき道(ビジョン)を明確に持ち、提言できる人だ。
なぜ、株価至上主義が間違っているのかを、会計上の話から、社会的背景までをもひっくるめて、非常に分かりやすく説いていく。「会社は株主だけのものではない」という結論が、当然の帰結となる。
次の基幹産業(ポスト・コンピュータ産業)はすぐそこまで来ていて(2015年あたりから)、PUC(パーベイシブ・ユビキタス・コミュニケーション=使っていることを感じさせず、どこでも偏在的に利用できるコミュニケーション機能)という、独自の概念に沿って、実際にその実現に向けた技術への投資も行っている。
つまり、PCを使うときのように「機械に人間が合わせる」行為を、「機械が人間に合わせる」行為へと変えていく技術らしい。
そして、その技術を日本から発信して行こうと本気で考えているのだ。しかも、先進国相手ではなく、発展途上国へ向けて。
その熱意と想いと行動力が凄いのだ。
圧巻の一冊だった。